デントリペア(PDR)とは?

車のヘコミを板金塗装せずに裏から押して直す方法

プッシング作業

車に出来てしまった『へこみ』を裏から専用工具で押す事により、オリジナルの塗装を傷つけずに直せる合理的な修理方法です。これにより、板金塗装によるパテ整形・再塗装の必要がありませんので、乾燥等の時間のかかる工程を大幅に削減し、短時間で低価格な修理を実現しました。

デントリペアの原理

へこみ修理の方法・原理

※棒状のツールを使い裏から押して直します。裏から工具が入らない場所でも、表から直す方法もあります。

正式名称は、ペイントレスデントリペア・ペイントレスデントリムーバル(Paintless Dent Repair/Removal)省略して『PDR』とも呼ばれ、『塗装をしないへこみ修理』という意味です。
国内では、『デントリペア』や『デント』と呼びますが、海外では一般的に『デントリムーバル』と呼ばれており、多くの方に知られています。

日本でも以前から取り入れられていたへこみ修理方法ですが、完成された技術を習得する事がかなり困難な為、あまり多くの方に知られていませんでした。 近年では、本場の技術を継承した指導者により、デントリペアの技術を習得した施工店が徐々に増えており、再塗装しないへこみ修理方法として全国で認識されつつあります。

ヨーロッパ生まれの欧米で発展した海外が本場の特殊技術

デントリペアは、ヨーロッパの自動車メーカーで考案され、雹害の多い欧米において雹害車のへこみ修理に最適な方法として、常に進化を遂げてきました。 アメリカでは世界大会が開かれるほどに発展しており、技術者としての資格もしっかりと確立されております。

修理出来るヘコミ

ヘコミの状態

修理可能なヘコミは、塗装面に大きな傷みが無く、物理的に延びすぎていない状態に限られます。

以上の様なケースは、基本的にデントリペアで直す事が出来ます。

※軽度なキズは磨きによってかなり目立たなく出来る場合もあります。
※いずれもヘコミの状態や条件次第となります。

場所(パネルや位置)

車種によって例外はありますが、基本的に全ての金属パネルが修理可能です。

様々なヘコミに対応可能

  • ・ヘコミの裏側に補強等のパネルがある場合でも、ノウハウ次第で裏から押す修理方法を適用可能です。
  • ・ステップやドアで隠れたピラー部分はかなり硬く難易度が高くなりますが修理可能な場合もあります。

ツールが入らずに裏から押せないヘコミの修理方法

裏から工具が入らない場所でも、表からヘコミを修理する『プーリング』と呼ばれている方法により修理可能なケースも多数あります。 ボディーの表面(塗装面側)に特殊なツールを取り付けて、それを絶妙な力加減で引く事によりへこみを綺麗に直します。 プーリングには様々な方法がありますが、裏から押す修理方法よりも難易度が高い為、適切なノウハウと熟練の技術が必要となります。

素材

修理出来る素材は、一般的に自動車ボディに使用されている『鉄(スチール)』『アルミ』等の金属素材となります。

※バンパー等に使用されているプラスチック素材は、基本的には修理不可となります。

修理出来ない場所やヘコミ

デントリペアは、場所だけで修理出来ないと判断する事はありませんが、ツールが入らない場所等に難しい形状など、悪条件が重なる事で、『修理できない』と判断する場合はあります。

たとえば、『デントリペアのツールが入らない位置の深く鋭いヘコミ』や、『パネルが延び過ぎて綺麗にヘコミが直らない』等、デントリペアでは修理が出来ないと判断する場合があります。『パネルが折り重なっている端部分』なども修理不可能と判断される場合がありますが、条件次第で綺麗に直るケースもあります。

どんなヘコミでも、まずは一度ご相談ください。

板金塗装とはどう違うのか?

従来のへこみ修理方法である板金塗装と比較した場合、直せるヘコミは限定されますが、修理可能な場合は『綺麗に早く直る』等のメリットが多数あります。 板金塗装はへこみやキズ、事故による大きな損傷等を直せる『万能な修理方法』ですが、へこみ修理のみで考えると、デントリペアは『より合理的な修理方法』となります。 詳しくは鈑金塗装との比較ページをご覧ください。

板金塗装との比較

従来のデントリペアで断られたヘコミもご相談ください

【深いヘコミ】【大きなヘコミ】【複雑なヘコミ】【アルミパネルやプレスラインのヘコミ】【ツールが入らない部分のヘコミ】【傷を伴うヘコミ】【歪みや違和感】【デントリペアの失敗や修理痕】【雹被害による雹害車両】や【落雪によるヘコミ】など、従来のデントリペア(他社等)で修理が出来ないと判断された場合でも、まだまだ修理可能なケースは多数ありますので、鈑金塗装をしてしまう前に是非一度ご相談下さい。